肝斑の治療法としてよく知られる「トラネキサム酸」内服薬の服用。
トラキネムサムサン…?う~ん…、よくわからん!
という方のために、トラネキサム酸についてわかりやすく説明します!
肝斑に対する治療効果や飲み方、気になる副作用まで、これを読めば「トラネキサム酸を用いた肝斑治療法」を120%理解できる!かもしれない…ということで、早速見ていきましょう♪
第1章:トラネキサム酸とは?
医学的な小難しいお話をわかりやすく説明するために、だいぶ噛み砕いています。そのため、文章量が多くなっておりますので、結論だけを知りたい方は太字だけを読んでいただければ大丈夫です◎
トラネキサム酸の正体は…
トラネキサム酸ってそもそも何かというと、要は「美白効果のある成分」です。
元々は、止血剤として医療現場で頻繁に使われていたのですが、それを肝斑治療に用いたのはトラネキサム酸が持つ「抗プラスミン作用」に着目したことがきっかけでした。
抗プラスミン作用とは、「プラスミン」の働きを抑制すること。
このプラスミンが持つ働きには、以下のようなものがあります。
- 血液を溶かす
- アレルギーを起こす
- 炎症を起こす
- *メラノサイトを活発にさせる
*シミの基であるメラニンをつくり出す成分
つまり、トラネキサム酸が肝斑を改善するメカニズムとしては、シミの基をつくるメラノサイトをあおっていたプラスミンを抑制することで、根本的にシミの原因をなくすということなのです。
トラネキサム酸の効果について
トラネキサム酸の正体がわかったところで、どのような効果があるのか見てみましょう。
- メラニン色素の生成を抑えシミや肝斑を改善する
- 抗炎症作用によりニキビや肌荒れを予防する
- 抗アレルギー効果や止血剤としての効果
トラネキサム酸は肝斑の他にも、シミやニキビ、肌荒れなどを改善し透明感のある肌へと導く効果があります。また新たなシミを作らないための予防にもなります。
女性ホルモンへの作用は?
肝斑は女性ホルモンの乱れが主な原因と言われています。
妊娠や出産、低容量ピルの服用によってホルモンバランスが乱れ発症する場合が多いようです。その肝斑の改善薬であるトラネキサム酸ですが、ホルモンバランスを整える作用があるわけではありません。
トラネキサム酸は肝斑の原因となるメラニン色素の発生を抑制することで肝斑を改善するもので、女性ホルモンとの直接的な関係はないと言われています。
第2章:トラネキサム酸の飲み方
肝斑治療ではほとんどの場合トラネキサム酸を内服薬として用いるため、詳しい「飲み方」をご紹介したいと思います。
1日の摂取量について
トラネキサム酸を用いた肝斑治療では、1日 750mg 以上でないと、あまり効果が望めないと言われています。
一般的に皮膚科や美容外科では、1日 1,500mg で処方されることが多いようです。
ただし、人によって適切な摂取量が変わるため、処方したクリニックの指示に従って必要な分だけを摂取するようにしましょう。
外用薬の場合
クリニックによっては内服薬の他にトラネキサム酸配合の外用薬やローションでの治療を行っているところもあります。
トラネキサム酸は市販薬や市販化粧品でも気軽に取り入れることのできる成分ですが、肌の状態は人それぞれ違いますので、より高い効果と安全性のためにも皮膚科や美容外科で処方できるものが望ましいです。
第3章:気になる副作用について
飲み薬と聞くと、多くの方が副作用を懸念されます。
しかし、トラネキサム酸は他の内服薬に比べ、副作用のリスクがほとんどないと言われます。
まれに以下のような症状を起こすことはあるようです。
- 軽い月経の減少
- 胃の不調
いずれも軽度の症状だと言われます。
ただし、以下のような疾患をお持ちの方はトラネキサム酸を服用してはいけませんのでご注意ください!
- 脳血栓
- 心筋梗塞
- 血栓性静脈炎
第4章:組み合わせるとより効果的!
肝斑は基本的にトラネキサム酸の内服治療が第一選択治療となりますが、トラネキサム酸以外の内服薬を組み合わせることも多いです。
皮膚科や美容クリニックで一般的に処方される内服薬には、トラネキサム酸以外に以下の2種類があります。
ハイドロキノン
シミの内服治療としてよく知られるハイドロキノンは、強力な漂白作用がある美白成分です。
メラニン色素を作る元となる酵素「チロシナーゼ」の働きを抑制し、メラノサイトの数を減少させることにより、シミや肝斑を予防します。
また酸化してしまったメラニンを還元する作用もあるため、今あるシミや肝斑を薄くする効果も期待できます。
ただしハイドロキノンは美白効果が高い分肌への刺激も強く、高濃度になればなるほど肌に負担がかかってしまうと言えます。人によっては赤みやかぶれが出ることもありますので、使用する際は医師の処方を受け様子を見ながら治療を行うことが大切です。
ビタミンC
ビタミンCは内服ビタミン剤としても外用剤としても用いられます。高い抗酸化作用やメラニン色素を抑制する効果があり、シミや肝斑だけでなくニキビや毛穴の開きなど総合的な美肌効果が期待できる美白成分です。
これらの美白外用剤や内服薬はトラネキサム酸と組み合わせて処方されることが多く、併用することで肝斑改善の効果を高める場合もありますが、容量や組み合わせ方は症状によるので、自己判断で服用せずに専門医に相談するようにしましょう。
第5章:トラネキサム酸で肝斑が改善しない場合
トラネキサム酸では改善が見られなかった…。
なるべく短時間で効果を実感したい!
このような場合の選択肢としては、トラネキサム酸と機械治療を併用する場合も多いです。
併用できる治療としては以下のようなものがあります。
ケミカルピーリング
グリコール酸やフルーツ酸などの薬剤を皮膚の表面に塗布することで、古い角質を取り除いて肌のターンオーバーを促す治療法です。トラネキサム酸との併用でさらなる肝斑改善の効果や美白効果が期待できると言われています。
イオン導入
肌に微弱な電流を流すことにより、水溶性の有効成分を肌の奥まで浸透させる治療法です。ビタミンCを導入することでシミや肝斑、ニキビなどの改善や美白効果が期待できます。またトラネキサム酸をイオン導入により直接皮膚に浸透させることも可能で、抗炎症作用やメラニン色素の抑制作用により肝斑の改善に高い効果を発揮します。
レーザートーニング
マイルドなパワーのレーザーを肌に均一に当てることにより、徐々にメラニン色素を減らして肝斑を改善する治療法です。肌に負担をほとんどかけないためダウンタイムの少ない治療が可能です。肝斑への効果は定期的な間隔で約7〜10回治療を行うと効果を実感しやすいと言われています。
第6章:トラネキサム酸が処方できる場所
一般皮膚科
皮膚の疾患を治療するのが目的の医療機関です。肝斑は病気ではないので保険適用にはならないのが普通ですが、トラネキサム酸やその他の外用薬などの処方が可能です。
美容皮膚科
皮膚の疾患だけでなく、美容を目的とした肌の治療も行っている皮膚科です。シミや肝斑治療も積極的に行っているところが多く、トラネキサム酸内服薬の他にもレーザー治療やイオン導入など様々な治療法から選ぶことができます。治療後も美肌を保つためや肝斑予防のために定期的に受けると効果的な治療法も提案してもらえます。
美容外科
いわゆる美容整形手術を行っており、容姿を整えることが目的です。二重まぶたや脂肪吸引などあらゆる美容整形を取り扱っていますが、美肌のための様々な治療も行っており、ほとんどのクリニックでトラネキサム酸の処方が可能です。
【まとめ】トラネキサム酸による肝斑治療
トラネキサム酸は抗プラスミン作用により肝斑を改善する効果のある成分です。
トラネキサム酸の特徴には以下のようなものがあります。
- メラニン色素の生成を抑え、シミや肝斑を改善・予防する
- ニキビなど肌荒れ改善にも効果的
- トラネキサム酸の適切量は人それぞれ
- ハイドロキノンやビタミンCを組み合わせるとさらに効果的
- 肝斑治療に用いる場合はクリニックでの処方が望ましい
肝斑を改善するだけでなく様々な美肌効果が期待できるトラネキサム酸が、服用の際は医師の診断を受け、自分の肌の状態をしっかり把握してから使用するのが安心です。